上顎がん・上顎癌治療の知識と情報
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上顎がん・上顎癌における漢方医学療法
漢方医学療法研究会は漢方医学療法が、がん闘病者の治療の福音になればと研究を重ねてきました。
漢方医学療法の作用の一部を闘病者の声として頂いており、声の中から重要度の高い項目に関しての資料をご用意しました。
当研究会の研究成果や実績については「
漢方医学療法のがん治療研究における成果」をご覧ください。
□医療相談
上顎がん(上顎癌)上顎骨に発生するがんで、主に上顎洞、節骨洞に発生する扁平上皮癌です。
上顎癌は周囲骨組織浸潤し大きくなります。
症状は、鼻づまり、嗅覚障害、鼻出血、悪臭のある鼻漏、顔面や歯の痛み、鼻や顔面の変形、眼球運動の制限、眼球突出、聴力障害など。
上顎がん(上顎癌)治療に不安や行き詰まりを感じたり、化学療法(抗がん剤治療)や放射線療法の副作用の軽減、QOL(生活の質)の向上、延命、治癒を目指す上顎がん(上顎癌)の治療法を検討されている方。
お問い合わせをお考えの方はまず「
漢方医学療法を始めるにあたって」をご覧ください。
西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、
上顎がん(上顎癌)治療無料相談よりお問合せ下さい。
□上顎がん(上顎癌)とは
副鼻腔には、上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前頭洞があります。
この中で、一番多いのが上顎洞にできた癌、上顎癌です。
上顎洞は上顎骨という骨に囲まれていますので、初期には症状がありません。
骨を破壊すると 症状が出現します。
そのときはすでにT2以上の病期となっていることになります。
進展方向に より出現する症状が異なります。
鼻腔側への進展:鼻閉、鼻出血、悪臭のある鼻漏
口腔側への進展:硬口蓋や歯肉の腫脹、歯痛、口腔内出血
眼窩側への進展:眼球の突出や偏位、眼球運動障害や複視
前方への進展:頬部の知覚麻痺や皮膚の発赤
後方への進展:顔面、硬口蓋の知覚異常や開口障害。
□上顎がん(上顎癌)の検診と診断
視診、触診、内視鏡検査および病変の一部を採取して顕微鏡で調べる生検(病理診断)を行います。
また、がんの広がりの程度などを確認するために、MRI検査、C、超音波(エコー)検査などの画像診断を行います。
視診:鼻内、口腔、頬部皮膚を観察したり、口から小さな鏡のついた器具を入れて鼻やのどの奥を観察して、腫瘍の有無を確かめます。
ファイバースコープによる観察を行います。
触診:口の中に指を入れてがんがあると疑われる部分に直接触れ、がんの大きさや硬さ、広がりなどを調べます。
また、首の回りを丁寧に触って、リンパ節への転移がないか調べます。
生検:咽頭(いんとう)や喉頭(こうとう)に局所麻酔を行い、咽頭反射と表面の痛みを除去した後、内視鏡で観察しながら疑わしい組織の一部を切り取り、顕微鏡でがんか否かを調べます。
画像診断:超音波(エコー)検査、)CT検査、MRI検査をおこないます。
がん治療の知識と情報の「がん(癌)診断と病期(ステージ)診断に行われる検査の種類と内容」参照
ここでは、TNM分類のNMは省きます。
N,M,は
頭頸部がん(頭頸部癌)を参照
[T 分類]
TX 原発腫瘍の評価が不可能
T0 原発腫瘍を認めない
Tis 上皮内癌
T上顎洞粘膜に限局する腫瘍,骨吸収または骨破壊を認めない
T2 骨吸収または骨破壊のある腫瘍、硬口蓋および / または中鼻道に進展する腫瘍を含むが、上顎洞後壁および翼状突起に進展する腫瘍を除く
T3 上顎洞後壁の骨、皮下組織、眼窩底または眼窩内側壁、翼突窩、篩骨洞のいずれかに浸潤する腫瘍
T4a 眼窩内容前部、頬部皮膚、翼状突起、側頭下窩、篩板、蝶形洞、前頭洞のいずれかに浸潤する腫瘍
T4b 眼窩尖端、硬膜、脳、中頭蓋窩、三叉神経第二枝以外の脳神経、上咽頭、斜台のいずれかに浸潤する腫瘍
0期(上皮内がん):0期では、上顎洞の最も内側を覆う組織に異常な細胞が認められます。
こうした異常細胞は、がん化して周辺の正常組織に拡がっていく可能性があります。
0期は上皮内がんとも呼ばれます。
Ⅰ期:Ⅰ期では、上顎洞の粘膜に既にがんが形成されています。
Ⅱ期:Ⅱ期では、がんが口腔の天井部分や鼻を含む上顎洞周囲の骨に拡がっていますが、上顎洞後方の骨や頭蓋骨の底部には達していません。
Ⅲ期:Ⅲ期では、がんが以下のいずれかの領域に拡がっています。
上顎洞後方の骨、皮下組織、眼窩、頭蓋骨の底部、篩骨洞。
または、がんと同じ側の頸部にある1ヵ所のリンパ節にがんが転移しており、そのリンパ節の大きさは3cm以下です。
さらに、以下のいずれかの領域にがんが拡がっています。
上顎洞の内側を覆っている層、口腔の天井部分や鼻を含む上顎洞の周囲の骨、皮下組織、
眼窩、頭蓋骨の底部、篩骨洞。
Ⅳ期:Ⅳ期は、ⅣA期、ⅣB期、ⅣC期に分けられます。
ⅣA期:ⅣA期では、がんが以下のいずれかの領域に拡がっています。
がんと同じ側の頸部にある1ヵ所のリンパ節(大きさは3cmを超えるが6cm以下)
または、原発腫瘍と同じ側の頸部にある複数のリンパ節(大きさはすべて6cm以下)
または、原発腫瘍と反対側の頸部または両側の頸部にある複数のリンパ節(大きさはすべて6cm以下)
さらに、以下のいずれかの領域にも拡がっています。
上顎洞の内側を覆っている層、口腔の天井部分や鼻を含む上顎洞の周囲の骨、皮下組織、
眼窩、頭蓋骨の底部、篩骨洞。
または、以下のいずれかの領域にがんが拡がっています。
眼の前部、頬の皮膚、頭蓋骨の底部、下顎の奥、両眼の間の骨、蝶形骨洞または前頭洞、さらに、頸部のいずれかにある1ヵ所以上のリンパ節(大きさはすべて6cm以下)に転移している場合もあります。
ⅣB期:ⅣB期では、がんが以下のいずれかの領域に拡がっています。
眼の後部、脳、頭蓋骨の中央部、脳に続く頭部の神経、鼻の後方に位置する咽頭の上部、
頭蓋骨の底部。
さらに、頸部のいずれかにある1ヵ所以上のリンパ節(大きさは様々)にがんが転移している場合もあります。
または、がんが1ヵ所のリンパ節(6cmを超える)に転移しています。
さらに、上顎洞の内部や周辺のいずれかにがんが認められる場合もあります。
ⅣC期:ⅣC期では、がんが上顎洞の内部や周辺のいずれかに認められる場合や複数のリンパ節に転移している場合があり、さらに肺などの上顎洞から遠く離れた臓器に転移しています。
□上顎がん(上顎癌)の治療をはじめるにあたり
上顎がん(上顎癌)の治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 最終的な治療方法を患者さんが主体となって決定する時代になりつつあります。
上顎がん(上顎癌)の治療をはじめるにあたりがん「
がん(癌)治療の知識と情報」にまとめましたので参考にしてください。
また医療の進歩とともに治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを求めることが必要な時代になってきました。
詳しくは「
インフォームドコンセント」と「
セカンドオピニオン」をご覧下さい。
がん治療の知識と情報の「がん治療法を選択するに際してのアドバイス」を是非参照ください
□上顎がん(上顎癌)治療
上顎がん(上顎癌)の治療は、機能面と同時に整容面にも配慮し治療を行う必要があり、手術、放射線治療、化学療法を組み合わせた集学的治療が共通した治療方針となっています。
手術療法
切除術式としては上顎部分切除術、上顎全摘術、上顎拡大全摘術、頭蓋底郭清術に分類されます。
開洞と減量術は上顎部分切除術に含まれます。
標準的な術式を上顎部分切除術と考えるか上顎全摘術と考えるか統一した見解はありません。
頸部リンパ節転移を認める症例は少ないですが、頸部郭清術を行う場合は顎下部を含めます。
上顎拡大または、全摘術後の口蓋の欠損に対しては口腔、鼻腔の遮断のためプロテーゼ、ないしは再建手術により閉鎖する必要があります。
放射線治療
放射線治療は60~70Gy/30~35回/6~7週の外照射が一般的であり、根治照射のよい適応となるのはT1─2症例ですが、実際には早期に発見される症例は少なく一般的には手術、化学療法が併用されます。
手術後の残存腫瘍体積と放射線治療による局所制御には相関があり、十分な減量が可能な症例では、放射線治療の併用により良好な局所制御が期待できます。
化学療法
放射線治療と同時併用されることが多く、導入化学療法として用いられることもあります。
投与経路は浅側頭動脈などからの動注、全身投与です。
動注は、白金製剤、フルオロウラシル系の薬剤が選択されることが多い。
全身投与では白金製剤を中心とした多剤併用療法も行われます。
さらなる情報は、頭頸部がんの知識と情報をご覧ください。
□強力な化学療法(抗がん剤)/放射線療法の副作用対策
強力な化学療法や放射線療法を行えば当然副作用も強く、白血球の減少による感染症、血小板の減少による出血などがおこりやすくなります。白血球や赤血球、血小板などが低下することを骨髄毒性(骨髄抑制)といいます。
骨髄抑制により身の回りを清潔に保ちウイルスや細菌などの感染を予防する必要があります。また免疫の低下により帯状疱疹もできやすく、しかも悪化しやすくなります。
治療中は規則正しい生活を送り、免疫力を維持すること、および骨髄抑制からできるだけ早く回復するよう心がけが必要となります。
抗がん剤治療の副作用を軽減し、QOL(生活の質)を維持・向上することを目指した治療について関心がある方は
上顎がん(上顎癌)治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。