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喉頭がん(声門癌)・喉頭癌治療の知識と情報

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喉頭がん(声門癌)・喉頭癌治療の知識と情報

喉頭がん(声門癌)・喉頭癌における漢方医学療法

漢方医学療法研究会は漢方医学療法が、がん闘病者の治療の福音になればと研究を重ねてきました。
漢方医学療法の作用の一部を闘病者の声として頂いており、声の中から重要度の高い項目に関しての資料をご用意しました。
当研究会の研究成果や実績については「漢方医学療法のがん治療研究における成果」をご覧ください。

□医療相談

喉頭がん(喉頭癌)ステージの進んだ3期、4期(末期)の喉頭がん(喉頭癌)では次の様な転移や症状が見られます。
リンパ節への多発転移、転移リンパ節の増大、咽頭や頸部への進展、遠隔転移、声がれ、息苦しさ、呼吸困難、誤嚥、発声障害、痛みなど。

喉頭がん(喉頭癌)治療に不安や行き詰まりを感じたり、化学療法(抗がん剤治療)の副作用の軽減、全身状態(PS)の改善、QOL(生活の質)の向上、延命、治癒を目指す喉頭がん(喉頭癌)の治療法を検討されている方。
お問い合わせをお考えの方はまず「漢方医学療法を始めるにあたって」をご覧ください。

西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、喉頭がん(喉頭癌)治療無料相談よりお問合せ下さい。

□喉頭がん(喉頭癌)とは

喉仏(甲状軟骨)の中で、気管の入り口を喉頭といいます。
声を出す声帯があるところです。
喉頭の主な働きは、発声機能、気道としての役割、下気道の保護の3つです。

喉頭にできた癌を喉頭がん(喉頭癌)といいます。
喉頭がんは、そのほとんどが上皮の基底細胞が悪性化した扁平上皮がんです。
声帯より上方にできたものを声門上癌、下方にできたも のを声門下癌、声帯にできたものを声門癌といい、それぞれ症状が違います。
中でも一番多いのが、声門がんです。

喉頭がんの初期症状は、声がれです。
食べ物を飲み込む時に違和感を感じることもあります。
風邪でもないのに、何ヶ月も声がかれているような場合には、喉頭がんの検査を受けた方がいいかもしれません。
また、声門上癌や声門下癌では初期の場合、症状が全くないことが多々あります。

喉頭がんは、早期に発見すれば完治が可能ながんです。

喉頭がんになる危険因子としては、タバコとお酒であると言われています。
喉頭がんは女性よりも男性の発生率が高く、年齢的には60歳代の人に多いといわれています。
受動喫煙でも発生率が高まるようなので、自分が喫煙していないからと安心するわけにはいきません。

また、声門上がんの発生には、アルコールが関与していると言われています。
熱い食べ物や辛い刺激の強い食べ物が好きな人も、喉頭がんの発生率が高いようです。
アルコールや刺激の強い食べ物を食べると、喉頭の粘膜細胞が傷ついてしまいます。

そのため、そうしたものを好んで食べる人は、常に粘膜細胞を傷つけてしまうことになり、細胞の遺伝子であるDNAががん化しやすいからです。
食生活やタバコやお酒などの生活習慣に気をつけることで、喉頭がんの発生リスクが大幅に減ると思います。

また、喉頭がんは、子宮頸がんの原因であると指摘されているヒトパピローマウィルス(HPV)との関連が疑われています。
その他、アスベストなどの被曝や、胃食道逆流症の影響も指摘されています。

発がんの原因について詳しく知りたい方は、「がんの知識と情報」の「発がんの引き金」「がん(癌)のイニシエーター慢性炎症」を参照ください。

咽頭から喉頭あたりは、大変複雑な構造をしており、発声や嚥下といった重要な機能は、デリケートで微妙なメカニズムで成り立っています。

ですから、手術をされる場合
・ どこにがんがあるのか
・ どこまで切除するのか
・ どのような再建方法をとるのか
 によって、QOLは大きく変わってきます。

切除する範囲が1センチ違うだけでQOLに大きな差が出る場合があります。
喉頭を残せるか残せないかの判断も、医師や医療施設によって微妙に違いますから、ご自身の正確な病状をできるだけ詳しく医師から聞き出すことがご自身の治療方針を決める上で大切になります。

当然のことながら、患部の進展度やリンパ節の転移状況によって、予後のデータもかなり違います。


□喉頭がん(喉頭癌)の検診と診断

喉頭癌の検診
は、音声分析があります。
一部の自治体などでも行われている検査です。
被検者の声を録音したデータを解析して、喉頭がん、声帯結節、声帯ポリープなどのどの疾患のスクリーニングを行います。

診断:喉頭がんは、のどの奥の見えにくい部分にできるがんです。
検査では、まず声がれ、のどの違和感、のどの不快感などの自覚症状を問診によって確認していきます。
同時に、喉頭がんでは首のリンパ節への浸潤・転移が考えられるため、首周り(頸部)の触診も行い、リンパ節転移があるか、あればその部位、大きさ、数、可動性の有無などを診察します。

それから、喉頭鏡検査(舌を引っ張り出して鏡で見る)や喉頭ファイバースコープ検査によって喉頭を観察します。

これらの検査で喉頭に異常が認められる場合、その部分から小さな肉片を採取し、病理組織検査により診断を確定します。
喉頭の病理組織採取は、局所麻酔下にファイバーを用いたりして行うこともあります。

そして、喉頭がんと診断がつけば、癌の拡がりを正確に診断するために、CTやMRI、時にPET-CTを行い、がんの周囲への浸潤やリンパ節転移の有無を調べます。
また、リスク要因が共通する食道がん、肺がん、胃がんなどの重複がないかも確認します。

がん治療の知識と情報の「がん診断と病期(ステージ)診断に行われる検査の種類と内容」参照

□喉頭がん (喉頭癌)の病期(ステージ)分類

T分類
【声門癌】

T1:T1a:声帯運動が正常で一側声帯に限局
T1b:声帯運動が正常で両側声帯に浸潤
T2:声門上部および/または声門下部に伸展するものおよび/または声帯運動の制限を伴う
T3:声帯が固定し喉頭内に限局
T4:甲状軟骨を破って浸潤するおよび/または気管、頚部軟組織、甲状腺、咽頭に浸潤

【声門上癌】
T1:声帯運動が正常で声門上部の一亜部位に限局
T2:喉頭の固定がなく、声門上部の他の亜部位、声門または声門上部の
外側域の粘膜に浸潤
T3:声帯が固定し喉頭内に限局および/または輪状後部、喉頭蓋前方、
舌根の深部のいずれかに浸潤
T4:甲状軟骨を破って浸潤するおよび/または頚部軟組織、甲状腺、食道に浸潤

【声門下癌】
T1:声門下部に限局
T2:声帯に伸展始祖の運動が正常か制限されている
T3:声帯が固定し喉頭内に限局
T4:輪状軟骨か甲状軟骨を破って浸潤するおよび/または気管、頚部軟組織、
甲状腺、咽頭、食道に浸潤

N分類 リンパ節転移
 'N0'は頸部リンパ節転移を認めないもの
 'N1'は患側に3cm以下のリンパ節を1個認めるもの
 'N2a'は患側に3cmをこえ6cm以下のリンパ節を1個認めるもの
 'N2b'は患側に6cm以下のリンパ節を複数個認めるもの
 'N2c'は両側あるいは健側に6cm以下のリンパ節を認めるもの
 'N3'は6cmをこえるリンパ節を認めるもの、と定義されています。

M分類 遠隔転移
'M0'は遠隔転移を認めないもの
'M1'は遠隔転移を認めるもの
遠隔転移の有無は、全身ガリウムシンチ、骨シンチといった全身の検索と、頭頸部癌で転移を 起こしやすい肺や肝臓のCTで検索します。

ステージ分類
1期 - ステージ1

がんが1亜部(喉頭とさらに小さい単位に分けたもの)にとどまっている状態です。
2期 - ステージ2
喉頭内の隣接亜部位まで進展しているけれど、喉頭内にとどまっている状態で、頸部リンパ節転移も遠隔転移もしていない状態です。
3期 - ステージ3
声帯が全く動かなくなっていたり、3cmより小さい頸部リンパ節転移を1個認めるが、遠隔転移はしていない状態です。
4期 - ステージ4
がんが喉頭を越えて咽頭や頸部に進展している、頸部リンパ節転移が多発している、あるいは転移リンパ節が6cm以上となっている、またはがんと反対側の頸部リンパ節に転移している、遠隔転移を認めるといった状態です。

1期と2期は早期がん、3期と4期は進行がんです。
喉頭がんは、比較的早期に発見することができる上に、早期における治癒率が高いです。
そのため、喉頭がん患者の過半数が早期がんであるようです。
治療に際しては、この病状に応じて治療法を考えるようになります。

□喉頭がん (喉頭癌)の治療をはじめるにあたり

喉頭がん (喉頭癌)の治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 最終的な治療方法を患者さんが主体となって決定する時代になりつつあります。

喉頭がん (喉頭癌)の治療をはじめるにあたり「がん(癌)治療の知識と情報」を参考にしてください。

また医療の進歩とともに治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを求めることが必要な時代になってきました。

詳しくは「インフォームドコンセント」と「セカンドオピニオン」をご覧下さい。

がん治療の知識と情報の「がん治療法を選択するに際してのアドバイス」を是非参照ください

□喉頭がん (喉頭癌)の治療選択


喉頭機能を温存しながら病気の根治を図ることが求められますが、年齢・全身状態・職業などを考慮しながら最適な治療法を検討し決定されるべきです。
治療法選択の原則は、放射線治療による根治が見込める場合には、治療のリスクがほとんどなく治療後の機能障害が小さいため、放射線治療を第1選択としています。

喉頭部分切除術は、放射線治療での根治が疑わしい場合で音声温存をも目的とした治療法ですが、その選択には慎重でなければなりません。
進行がんの状態では癌の根治を第1として声を犠牲にした喉頭全摘出術を行わざるを得なくなります。

声門癌に対する治療法の選択
T1
:放射線治療・喉頭部分切除術・レーザー手術
いずれの治療法でも高い制御率が期待できます。
放射線治療後に再発した場合には病変が小さければ喉頭部分切除術を行います。

T2:放射線治療・喉頭部分切除術・喉頭全摘出術
T1よりは制御率は低くなりますが、多くは放射線治療を第1選択としています。
放射線治療後の再発に対しては、再発病変が小さければ喉頭部分切除術を行っていますが、喉頭全摘が必要となることも少なくありません。

T3:放射線治療・喉頭部分切除術・喉頭全摘出術
一般的には喉頭全摘出術ですが、一部の症例では喉頭部分切除術が可能です。
放射線治療により喉頭温存を図り、再発時に喉頭全摘出を行う方針をとる場合もあります。

T4:喉頭全摘出術
癌の根治を第1に声を犠牲にする手術を選択します。

声門上癌に対する治療法の選択
T1
:放射線治療・喉頭部分切除術
いずれの治療法でも制御率は高く当院では放射線治療を第1選択としています。

T2:放射線治療・喉頭部分切除術・喉頭全摘出術
T1よりは制御率は低くなりますが、多くは放射線治療を第1選択としています。
一部の症例には部分切除術が可能ですが、誤嚥の問題を含め、慎重な適応決定が必要です。

T3:放射線治療・喉頭部分切除術・喉頭全摘出術
一般的には喉頭全摘出術ですが、放射線治療により喉頭温存を図り、再発時に喉頭全摘出を行う方針をとる場合もあります。
部分切除術が可能な場合もありますが、その選択は慎重であるべきです。

T4:喉頭全摘出術

声門下癌に対する治療選択
声門下がんの場合は上記と治療法は大きく変わり,たとえ初期ステージだった場合でも放射線治療が優先される事は少なく、外科療法による喉頭部分切除が行われるのが一般的です。

がんが前方に限局していれば、喉頭の部分切除を行います。
しかし、声門下がんは初期症状がほぼ無く、発見時にはかなり進行している事が多いので、喉頭全切除を選択することもあります。

□喉頭がん (喉頭癌)の治療による副作用と後遺症

放射線治療を行った場合は、治療後に味覚障害や口腔内乾燥感をきたします。
喉頭全摘手術を行うと、声帯がなくなるため発声機能を失います。
代用音声として様々なものがありますが、パイプ式人工喉頭、電気式人工喉頭等があります。
また、気管が頸部に直接つながるため、気管が乾燥しやすくなります。
そのため、気管の孔を覆うようにエプロン(特製のも の)をあてたり、加湿器を使用したりしていただく必要があります。
また、力むことができなくなるため、便秘がちになりますので緩下剤を内服することもあります。

□喉頭がん (喉頭癌)の末期

喉頭がんが進行することで機能障害が生じてくると、非常に大きなハンディキャップを感じるようになります。

がんが進行すると、のどの痛みがますます酷くなり、嚥下障害・出血や血痰・呼吸困難などの種々の症状が現れてきます。
食べ物を飲み込むことが困難になるので、流動食が必要になります。

また、呼吸困難になると、管切開が必要になり、気管切開をしてしまうと声が出なくなります。

喉頭がんは、末期になると、リンパ節などに転移するようになります。
リンパ節に転移すると、頚椎付近の神経も圧迫するようになるため、かなりの痛みになります。
中には、意識がなくなる人もいるようです。
大半の人は、ペインクリニックで麻酔科医による麻薬投与を受けて、痛みを軽減させることになります。

喉頭がんも末期になると、完治が難しくなり、延命治療に切り替わるようになります。
咽頭がんの場合、部位によっては、カテーテルによる抗がん剤治療をすることで死期を延ばすことが可能になります。

□強力な化学療法(抗がん剤)/放射線療法の副作用対策

強力な化学療法や放射線療法を行えば当然副作用も強く、白血球の減少による感染症、血小板の減少による出血などがおこりやすくなります。
白血球や赤血球、血小板などが低下することを骨髄毒性(骨髄抑制)といいます。

骨髄抑制により身の回りを清潔に保ちウイルスや細菌などの感染を予防する必要があります。
また免疫の低下により帯状疱疹もできやすく、しかも悪化しやすくなります。

治療中は規則正しい生活を送り、免疫力を維持すること、および骨髄抑制からできるだけ早く回復するよう心がけが必要となります。

□癌(がん)の何が生命を脅かすのか

癌(がん)関連遺伝子(癌遺伝子と癌抑制遺伝子)という遺伝子群の遺伝子の変異(2個~10個)が遺伝子産物(変異タンパク質)を産生します。

遺伝子産物(変異タンパク質)は生体の生命維持に重大な支障を与え、全身状態(PS)の低下、多臓器不全や身体の衰弱を招きます。
遺伝子産物(変異タンパク質)こそ癌(がん)が生命を脅かす元なのです。

□がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)の生体に対する影響

がん化した細胞の種類や発生した部位により産生される物質も異なり、がんの病態や悪性度が規定されます。

また、同じ腫瘍内にあるがん細胞でも、クローン増殖(転写)するがん細胞の増殖スピードが早く、悪性度が高い、そして同じ腫瘍内に多くのクローンが混在していると考えられます。
抗癌剤等の薬剤治療により、クローンが死滅しても別のクローンが特別な物質(薬剤耐久性遺伝子産物(薬剤治療が効かなくなる))を産生し、薬剤や免疫(免疫回避機構)に依る治療等からすり抜ける術を獲得します。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)は細胞内に産生される物質と細胞外へ産生される物質があり、細胞内にはシグナル伝達関連タンパク質、細胞外には増殖因子、癌胎児性タンパク質(CEA、AFP)、酵素、ホルモン、サイトカイン等です。

この様な事に依り、がん細胞が無知秩序で抑制不能な細胞増殖や転移、がん細胞のアポトーシス抑制(がん細胞の不死化)やがん周囲の血管新生等の能力を獲得します。

生体に対しては、全身の代謝異常、消化器機能障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、炎症誘導、発熱、悪液質(食欲低下、体重減少)、高カルシウム血症等、腫瘍随伴症候群と呼ばれる癌(がん)が産生した物質が血流に入って体内を循環する事で起こる症候群、特に病期(ステージ)の進んだ末期癌に多く見られます。

□癌(がん)を克服するには次の様なことが行われなければなりません

「抗炎症」「変異物質の抑制」「免疫細胞の活性」「癌細胞の死滅」「血液の改善」「クローン阻止」「活性酸素の消去」「代謝異常の改善」等を総合的に行わなければ癌(がん)克服の道筋は見えないのです。

漢方医学療法は、これら問題に対し学術的に裏付けられる療法なのです。
漢方医学療法に関心がある方は喉頭がん(喉頭癌)治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。