36年間の基礎研究と23年の臨床実績

漢方医学療法の研究成果

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漢方医学療法について
漢方医学療法のがん治療研究における成果

漢方医学療法研究会は日本冬虫夏草培養液・落花生種皮抽出物PAQが、がん闘病者の治療の福音になればと研究を重ねてきました。

これらを服用した際の作用の一部を闘病者の声として頂いており、声の中から重要度の高い項目に関しての資料をご用意しました。
当研究会の研究成果や実績に興味がある方は是非ご覧ください。

日本冬虫夏草培養液によって改善された症状の声

  1)がん特異症状、体重減少、腹水、不眠、痛み、だるさ、食欲不振、等の改善
  2)全身状態の改善
  3)手術予後の改善
  4)抗癌剤の効果向上
  5)抗癌剤の副作用軽減
  6)癌細胞がコラーゲン質で包まれていた
  7)転移部位の癌細胞の消失
  8)再発を繰り返していたが再発せず治癒した
  9)がんが短期間に退縮し消失した
10)がんはあるが何年も全く変わらない
11)がん細胞が突然消失した
12)がんが徐々に縮小し、その後消失し治癒した

漢方医学療法研究会ではがん闘病者に対して臨床調査を行っており、その結果を日本東洋医学会学術総会にて発表いたしました。
この調査結果の他にも様々な研究を行っており、それらの研究内容ががん治療研究のヒントや裏付になり、今日までの成果を挙げることが出来ております。

漢方医学療法研究会 研究の目的

漢方医学療法研究会の目的は日本冬虫夏草を主にした天然薬物に対して有効成分や作用機序についての科学的なアプローチを行い、 その有効性を明らかにすることで疾病治療の選択肢を拡充する事です。

現在行われているがん治療法において、主だった手段である抗癌剤は癌細胞を攻撃すると共に、少なからず正常細胞も攻撃するという欠点を持っており、 抗癌剤の持つ非特異的な細胞毒性ががん患者に重篤な副作用をもたらす場合が少なくありません。

研究会では高齢化や生活習慣等から増加傾向にあるがん患者の皆様にQOL(生活の質)を意識した療法を提案し、がんを改善する事を目標とし日々の研究を行っております。

日本冬虫夏草について


野生のハナサナギタケ

人口培養のハナサナギタケ

西洋・東洋を問わず、人類は自然界から有用な天然物を取り入れ種々の疾病の治療に利用してきました。
その中でも薬用に供せられる天然由来のものには、動物、植物および鉱物性のものがあり、とりわけ植物は天然薬物として主要な位置を占めます。
植物に由来する天然薬物は、わが国の「漢方方剤」や中国の「中薬方剤」、世界で汎用される「民間薬」として利用されるほか、天然薬物中に含まれる有効成分を利用した医薬品の開発が盛んに行われています。

近年、生活環境の多様化とともに生活習慣病としての難治性の疾患が増加しはじめ、疾病構造も大きく変化しました。
特にわが国では未曾有の高齢化社会に突入して高齢者の免疫失調に起因する発がん、自己免疫疾患、ならびに難治性疾患が急増し、医療と社会の両面から、治療対策の見直しが迫られ、これらに天然医薬品を適用しようとする動きが活発になってきました。

古来より伝承されてきた中葯、漢方薬、および民間薬といった東洋医学は、西洋医療が中心の医療現場にあっても重要な位置を占め、先端医療でもカバーできない難治性の疾患への応用、すなわち補完代替医療の分野やターミナルケアにおけるQOLの向上などに適用され、これらの重要性が高まりつつあります。

一方で、民間伝承あるいは理論的伝統的治療方剤およびそれに付随する治療法には、有効成分や作用機序が明らかではない部分が多くあり、医療現場において患者に適用した場合に予期しない反応や有害事象が現れる可能性が懸念されることから、医療スタッフの中には、現場での東洋医学の適用を躊躇する場合もしばしばあります。

日本冬虫夏草とは、昆虫を殺傷し、虫体成分を栄養にして発育、成長するバッカクキン科に属する菌類(虫草菌)の子実体と宿主虫体の総称です。
これらは一般に冬虫夏草とも呼ばれていますが、本来の冬虫夏草という名称は、中国南西部の高山帯に生息するコウモリガの幼虫に寄生する虫草菌の子実体と幼虫の死体との複合体を指す固有名詞です。
世界で約350種を数える虫草類の3分の2以上は日本で発見されたものであり、これらを我々は日本冬虫夏草と呼ぶ事にしました。

日本冬虫夏草二次代謝産物について

我々の研究論文、学会発表、特許文献データ並びに製品は、日本冬虫夏草(虫草)の二次代謝産物を使用しています。

二次代謝産物とは、生物の体内で酵素や補酵素の作用により物質を合成するときの化学反応である代謝の中で生命現象に直接関与しない物質として生合成された物です。
この二次代謝産物は生産者である植物自身にとっての役割は不明な物が多いが、人類にとっては天然由来の医薬品又は、新薬へのリード化合物として重要な役割を果たしております。
この中で日本冬虫夏草の二次代謝産は作るのに約2年のも長い時間がかかります。


日本冬虫夏草のがん研究の成果

●免疫増強作用の関与物質と作用機序が明らかになりました

日本冬虫夏草(ハナサナギタケ)が産生する二次代謝産物の消化管免疫調節物質が判明し、詳細な解析の結果、ペプチドは8種類のアミノ酸、糖はβ(1-3)グルカンから構成される事がわかりました。

さらに冬虫夏草由来アジュバンド(免疫増強物質)の詳細な構造解析の結果、免疫賦活化高分子は多糖とペプチド及び遊離アミノ酸の混合物で、消化管免疫賦活はこれらのペプチドが存在しないと誘導されない事が判明しました。
科学研究費助成事業研究成果報告書 平成25年6月12日より

この事から、日本冬虫夏草(ハナサナギタケ)が産生する二次代謝産物の消化管免疫増強物質が判明し、抗腫瘍効果、サイトカイン増強作用、白血球減少並びに貧血改善作用、抗癌剤副作用軽減作用、抗癌剤の抗腫瘍作用を増強し延命効果を増強する作用等の作用機序と関与成分が明らかになりました。

●日本冬虫夏草二次代謝物のヒト腫瘍細胞に対する抑制効果とその活性成分

40種の日本冬虫夏草二次代謝産物の中から5種類のヒト腫瘍細胞に対する抑制効果をスクリーニングし7種類の二次代謝産物にヒト腫瘍細胞に抑制効果がある事がわかりました。

7種類のうち3種類は5種類のヒト腫瘍細胞全てに抑制効果示しました。
また、4種類の二次代謝産物は、5種類のヒト腫瘍細胞に対し腫瘍細胞特異性がある事が判明しました。

この事から、4種の二次代謝産物にはヒト腫瘍細胞の特定の腫瘍に対し特異的に抗腫瘍活性があり、活性成分はテルペノイドやフラボノイドなどの疎水性低分子化合物が活性本体である可能性が示唆されました。

また、4種の二次代謝産物には、急性毒性、慢性毒性は見られませんでした。

5種類のヒト腫瘍細胞は、ヒト白血病細胞(U937)、ヒト乳癌細胞(MCF7)、 ヒト大腸癌細胞(HCT15)、ヒト膵臓癌細胞(KLM1)、ヒト胃癌細胞(KatoⅢ)

落花生種皮抽出物(PAQ)

落花生種皮抽出物(PAQ)とは、落花生の渋皮から抽出した純度90%以上のポリフェノール(低分子プロアントシアニジン)を言い、主に三量体を多く含んだ抗酸化SOD食品です。

研究の成果
●造血機能回復効果:発明名称「造血機能回復剤及び加工食品」の特許取得
●アレルギー疾患:発明名称「落花生種皮抽出物を用いたアレルギー疾患治療又は予防剤」の特許取得
●「プロアントシアニジン三量体」「落花生種皮抽出物を用いたプロアントシアニジン製造方法」の二つの特許を取得
がんに対し期待できる効果
がん性貧血や血小板減少造血機能回復効果
抗癌剤による副作用軽減造血機能回復効果
がん転移予防 ヒアルロニターゼ阻害効果
悪液質の改善及び予防 炎症性サイトカイン抑制効果
酸化ストレス改善 SOD様食品

日本冬虫夏草・落花生種皮抽出物(PAQ)研究の歩み(印は世界初です)
1977年(昭和52年)日本医学会東北支部大会(秋田大学医学部)にて、東北薬科大学癌研究所・佐々木健一教授、石川正明先生らと矢萩信夫・禮美子の共同研究である『ハチタケの人工培養とその抗腫瘍性について』を発表。

冬虫夏草に抗腫瘍性(がんに効果がある)がある事を世界で初めて明らかにしました。

【研究結果】
ハチタケ50mg/kgを投与した場合、77.5%の腫瘍抑制率を示し、かなり強い抗腫瘍性が認められました。

この研究結果は、同年のサイエンスアメリカン日本版(日本経済新聞社)
に掲載されました。

抗腫瘍性実験データを見る

1978年(昭53) 日本薬学会第98年会(於:岡山大学医学部)
『冬虫夏草の人工培養と抗腫瘍性について』を発表。

【研究結果】
コナサナギタケ25mg/kgを、癌細胞移植をしたマウスに投与した場合、82.8%の腫瘍抑制率を示し、かなり強い抗腫瘍性が認められました。

抗腫瘍性実験データを見る

1983年(昭58) 日本薬学会東北支部大会(於:岩手大学医学部)
『ハナサナギタケ、コナサナギタケの培養とその抗腫瘍成分について』を発表。

【世界初の新発見】
東北大学助教授の近藤嘉和先生が、日本冬虫夏草のうち、ハナサナギタケとコナサナギタケに、抗腫瘍性のあるエルゴステロール・パーオキサイドが含有されていることを世界で初めて発見しました。

冬虫夏草の培養液(二次代謝産物)と抗がん剤との比較検討実験データを見る

1984年(昭59)東北制ガン剤研究会にて
『ハナサナギタケの人工培養と免疫増強作用について』を発表。

1993年(平5)日本菌学会ニュースにて研究レポート
『ハナサナギタケ Isaria Japonica Yasuda.の人工培養』を発表。

1994年(平6)日本薬学会第114回年会(於:東京大学)
『ハナサナギタケ Isaria Japonica Yasuda.の人工培養と免疫増強作用について』を発表。

NHKニュースなどのマスメディアで取り上げられました。

1995年(平7)日本東洋医学会学術総会(於:金沢市)
『日本冬虫夏草の人工栽培および動物実験による薬理解明と癌闘病者に対する臨床調査』を発表。

【がん闘病者の主治医に対する聞き取り調査】
この臨床調査を伊丹仁朗医師、廣瀬薫医師、(株)エフェクトが行いました。
この調査は、がん闘病者の主治医に対し日本冬虫夏草培養液飲用による全身状態の改善効果を調査したものです。

日本冬虫夏草培養液のがん闘病者に対する臨床調査データを見る

1995年 日本薬学会第115回年会(於:東北大学)
『ハナサナギダケ(日本冬虫夏草)培養液の免疫増強作用について』を発表。

1995年 日本薬学会東北支部大会(於:山形大学医学部)
『ハナサナギタケの免疫効果とがん末期に使用した臨床例』を発表。

1995年9月15日アメリカ、ワシントン市のNIH(国立衛生研究所)内に3年前に発足したAOM(代替療法調査部)に公式訪問し、『日本冬虫夏草の人工栽培および動物実験による薬理解明と癌闘病者に対する臨床調査』を矢萩禮美子が発表しました。

漢方医学療法アメリカでの評価

1996年(平8)日本薬学会雑誌『BIOLOGICAL & PHARMACEUTCAL BULLETIN』にて『冬虫夏草培養液の免疫増強作用について』論文を発表。
『The Culture Fluid of Isaria japonica Yasuda Augments Anti?Sheep Red Blood Cell Antibody Response in Mice』

【研究結果】
冬虫夏草の培養液凍結乾燥粉末はマウスに経口投与する事により、T細胞依存型の抗体産生を増強する作用があることを明らかにしました。

また、がん化学療法による骨髄毒性(抗がん剤の副作用)の軽減作用がある事を明らかにしました。

この論文は、冬虫夏草培養液(二次代謝産物)凍結乾燥粉末の免疫増強作用を検討した世界で初めての論文です。

1997年(平9)米国ガンコントロール協会・日本支部主催
第3回日本癌コンベンション(於:千葉市)
『日本冬虫夏草の抗腫瘍性効果』を発表。

1998年(平10) 日本生薬学会第45回年会(於:仙台)
『日本産虫草ハナサナギタケの二次代謝産物』を発表。

1999年(平11)日本生薬学会雑誌『Natural Medicines』にて『ハナサナギタケIsaria japonica Yasuda人工培養菌(菌株CY11)とツリガネタケFomes fomentarius(L.:Fr)Kicrxを合剤とした凍結乾燥エキスの活性酸素消去作用(抗酸化作用)』論文を発表。

2001年8月3日 特許第4499371号 発明名称「落花生処理物を用いた造血機能回復剤及び加工食品」特許を取得しました。

造血機能回復とは、抗癌剤の副作用による造血機能低下を改善する特許です。

「造血機能回復剤」の特許証・特許明細の一部を見る

2003年(平15)日本薬学会第123回年会(於:長崎市)
『ハナサナギタケ(Isaria japonica Yasuda)培養液の消化管免疫応答に及ぼす影響』を発表。

この研究は、金沢大学薬学部と東北大学薬学部の共同研究です。



【研究結果】
50mg/kg/day(6日間)の用量のハナサナギタケ培養液(IJCF)は、5-FU(フルオロウラシル系抗がん剤)によるパイエル板細胞数の減少を抑制し、 T細胞サブセットのCD4+細胞の割合を増加させた。

また、IJCFはパイエル板細胞のIL-2とIFN-γの産生を増加させた。
なお、IJCFはIL-4の産生には影響を及ぼさなかった。

したがって、IJCFには5-FUよって低下したTリンパ球サブセットのうちCD4+細胞を回復させ、 またTh1による免疫応答を選択的に増強させる作用があることが明らかとなった。

ハナサナギタケ培養液(二次代謝産物)が免疫を選択的に増強させることを世界で初めて明らかにしました。

「パイエル板と免疫活性について」を見る

この研究結果をもとに「イザリア型虫草由来のサイトカイン産生増強剤」の特許を出願し、2012年2月17日(株)エフェクトは特許を取得しました。

「サイトカイン産生増強剤」の特許証・特許明細の一部を見る

日本菌学会MSJNEWS LETTERにて研究レポート『ウスキサナギタケ(Cordyceps takanomontana Yakushiji rt Kumazawa)の寒天培養における子嚢果形成について』
論文を発表。

2004年(平16) 日本薬学会第124回年会(於:大阪市)
『ハナサナギタケ(Isaria japonica Yasuda)培養液の抗腫瘍効果』を発表。

【研究結果】
ハナサナギタケ培養液(二次代謝産物)には他の抗癌剤の抗腫瘍作用を増強する効果があることが明らかになり、その効果には単球系細胞の活性化が関与している可能性が示唆された。

抗癌剤(5-FU)単独より、抗癌剤+ハナサナギタケ培養液は、最長で2.5倍生存日数が増えたことが確認された。

「抗がん剤併用で抗腫瘍作用を増強し延命効果の検討」を見る

日本菌学会会報(短報)にて『サナギタケ(Cordyceps militalis(L.:Fr)とマルミノアリタケ(Cordyceps formicarum Kobayashi)の寒天培養における子嚢殻性子座形成について』論文を発表。

2005年(平17)国際学術誌『International Immunopharmacology』(国際・免疫と薬理 第5巻、903~916ページ)にて『ハナサナギタケとツクツクボウシタケのバイエル板構成細胞に対する選択的なサイトカイン産生の増強効果』論文を発表。

2005年(平17)日本薬学会第1125回年会(於:東京)
『ハナサナギタケ(Isaria japonica Yasuda)培養液の抗腫瘍効果』を発表。

【研究結果】
ハナサナギタケ培養液は、マクロファージを活性化することにより抗癌剤5-FUとMMC(マイトマイシンC)の抗腫瘍作用を増強することが明らかとなった。

2006年(平18)日本薬学会第126年会(於:仙台)
『ハナサナギタケ(Isaria japonica Yasuda)培養液の抗腫瘍効果(2)』を発表。

3/May/2006 国際学術誌Journal of Natural Medicinesにて『Distinction of water-soluble constituents between some Paecilomyces(=lsaria)and Cordyceps fungi by capillary electrophoresis』論文を発表。

2007年(平19)日本薬学会第127回年会(於:富山)
『冬虫夏草属菌の一種、ミジンイモムシタケ(Cordyceps sp. TY262)のラット肺マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用』を発表。

【研究結果】
ミジンイモムシタケ(Cordyceps sp. TY262)はマトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用を示すことから、癌の浸潤・転移、虚血性脳及び心疾患、炎症、あるいは血管新生が関与する疾患に対して有効である可能性が示唆された。

2008年(平20)日本生薬学会第55回年会(於:長崎)
『冬虫夏草属菌のミジンイモムシタケ、マルミノアリタケ、ウスキサナギタケ、ハナサナギタケ培養液の抗腫瘍効果』

【研究結果】
冬虫夏草属菌培養液(二次代謝産物)凍結乾燥品は、いずれもIsaria japonica Yasudaと同様にマクロファージを活性することにより、抗腫瘍作用を示すことが示唆された。

日本薬学会第128年会(於:横浜)
『ミジンイモムシタケ( Cordyceps sp.TY-262)人工培養におけるコラーゲン様ゲル塊の産生について』

【研究結果】
ミジンイモムシタケ(Cs.TY262)コラーゲン様ゲル塊の摂取は、異物や腫瘍、あるいは悪性腫瘍のような浸潤性増殖細胞の増殖に対する除去作用を有する可能性があることが推察された。

2008年 Biological & Pharmaceutical Bulletin - J-Stage - 科学技術振興機構(Biol. Pharm. Bull.) 31(8)1565-1573(2008)論文『昆虫寄生菌ハナサナギタケPaecilomyces tenuipes培養液由来糖タンパクの5-fuluorouracil誘導マウス貧血に対する改善効果』

【研究結果】
昆虫寄生菌であるハナサナギタケ(Paecilomyces tenuipes)を静置培養して得られる代謝液には、5-FU制がん剤による貧血と白血球数減少を改善する効果があり、その活性成分の一つは15 kDのglycoprotein(糖タンパク・PGF)であることが示唆された。

このPGFによる貧血改善効果は、骨髄細胞の中でもmyeloid lineage(骨髄細胞系列)選択的であり、erythroid lineage(赤血球血統)に対してはEPO(エリスロポエチン)の刺激を受けることにより促される作用機序に基づくことが明らかになった。

このことから、昆虫寄生生成物のPTCF(ハナサナギタケ二次代謝産物)およびPGF(糖タンパク)は、がんの化学療法における副作用のうち重篤となる骨髄機能障害を軽減し、現行のがん治療をスムーズさせるサプリメントとして有用であることが示唆された。

内容を詳しく知る

2008年(平20)日中機能食品研究会(於北京大学)
『日本冬虫夏草培養液の癌闘病者に対する臨床調査とその後の癌部位別対応培液の開発』

『冬虫夏草属菌の一種、ミジンイモムシタケ(Cordyceps sp.TY262)のラット肺マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用』

2009年(平21)日本生薬学会第56回年会(京都市 京都薬科大学)
『玄米培地で産生した冬虫夏草属 Isaria farinosa(コナサナギタケ)とIsaria sinclairii(ツクツクホウシタケ)の抗腫瘍効果について』

【研究結果】
マウスにS-180癌細胞を接種して24時間後から18種類の冬虫夏草属菌あるいは複合した冬虫夏草属菌を摂取させた時、Isaria farinosa(コナサナギタケ)(抑制率61.6%)と Isaria sinclairii(ツクツクボウシタケ)(抑制率53.4%)で最も強い細胞増殖抑制作用が観察された。

NK活性に及ぼす影響について検討した。
YAC-1細胞(マウスリンパ腫)と10倍、20倍、50倍あるいは100倍未処置脾臓細胞との接触により、ほぼ細胞比の増大に依存しNK活性の増大が認められた。

YAC- 1細胞と20倍の脾臓細胞との接触させた時、コナサナギタケあるいはツクツクボウシタケを5、10あるいは15日摂取ではNK活性の増大が認められた。

玄米培地で培養したコナサナギタケあるいはツクツクボウシタケにおける抗腫瘍効果は、免疫調整作用に起因することが示唆された。

2011年(平23)第84回 日本生化学会大会(於:京都市)
『日本冬虫夏草の人工培養液にみられる各種腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果について』

2012年(平24)日本薬学会第132年会(札幌市北海道大学『日本冬虫夏草の人工培養液にみられる腫瘍細胞に対する抗腫瘍効果について』

2013年(平25)日本薬学会第133年会(横浜)『日本冬虫夏草二次代謝物のヒト腫瘍細胞に対する抑制効果』

【研究結果】
① 人工培養することに成功した40種の冬虫夏草について抗腫瘍活性のスクリーニングをした結果、乳癌細胞に顕著な抗腫瘍活性を有する10種の冬虫夏草を見出した。その中でもベニイロクチキムシタケFD(freeze drying・凍結乾燥)の抗腫瘍活性は顕著であった。

② ベニイロクチキムシタケFDのクロロホルム画分および酢酸エチル画分は、いずれもFDよりも低濃度でヒト白血病U937細胞及びヒト乳癌MCF7細胞に対し、強い細胞増殖抑制効果を示し、細胞死の形態はアポトーシスであった。また、U937細胞に対するアポトーシス誘導にはカスパーゼ-3が関与することが明らかとなった。

③ ベニイロクチキムシタケFDの経口及び静脈内投与群でCD4及びCD8陽性細胞の増加が認められ免疫能の増強が認められた。

以上の結果から、ベニイロクチキムシタケのクロロホルム画分に、直接的に癌細胞の増殖抑制効果を持つ物質が存在することが明らかとなり、テルペノイドやフラボノイド等の疎水性低分子化合物が活性本体である可能性が示唆される。
また、ベニイロクチキムシタケFD投与によりT細胞活性化作用が認められたことから、FDには抗癌活性を持つ化合物の他に免疫賦活作用を持つ化合物も含まれることが示唆される。さらに急性、亜急性毒性、慢性毒性も認められない(data not shown)ことから副作用の少ない治療薬として期待できる。

2014年(平26)MAY Vol.No.:3 ISSUE・5 IJCMAS(International Journal of Current Microbiology and Applied Science:現在の細菌学と応用化学の国際的なジャーナル)
に論文掲載

Specific antiproliferative activity against human cancer cells with metabolites from several species related to the genus Cordyceps
和訳)
日本冬虫夏草(Cordyceps属)の代謝産物は、数種のヒト由来癌細胞に対し抗増殖抑制活性を示した。

【研究結果】
人工培養した13種の虫草Chu-Sohの培養濾液(活性代謝液)を凍結乾燥後、リン酸緩衝液に溶かして、in vitroにおけるヒト癌細胞5種に対する抗増殖抑制効果について検討した。

13種のうち、Cordyceps formicarumをはじめとする6種は、正常細胞(ヒト皮膚繊維芽細胞(NHDF)に影響を及ぼさない低濃度ではほとんど効果は認められなかった。一方、Cordyceps militarisをはじめとする3種は、ほとんど全ての癌細胞の増殖を有意に抑制した。

Cordyceps roseostromataの培養濾液は、白血病細胞(U937)及び乳癌細胞(MCF7)に対して極めて強い増殖抑制活性を示したが、ヒト皮膚繊維芽細胞(NHDF)への影響は認められなかった。

Cordyceps .ophigoglossoides 、Ophiocordyceps pulvinata sp.nov.及び Isaria sp. nov.(Konaabutake)は、低い濃度範囲において乳癌細胞(MCF7)、白血病細胞(U937)及び胃癌細胞(KatoIII)に対して効果的かつ特異的に増殖抑制効果を示した。これら4種の冬虫夏草が持つヒト癌細胞増殖抑制効果は、細胞の種類によって感受性が大きく異なる。

この事実は、これらのキノコの代謝液に含まれる未知化合物が、副作用が極めて穏やかな抗癌剤開発に役立つリード化合物と成り得ることを示唆している。

2014年(平26)応用薬理 Pharmacometrics 86(3/4)63-69(2014)
Liquid Culture Filtrate of Paecilomyces tenuipes Does Not Reduce Tumor
Growth But Ameliorates Hematotoxicity Caused by Mitomycin C in Tumor
-Bearing Mice

和訳)
ハナサナギタケ(Paecilomyces tenuipes)培養液のマイトマイシンC誘導マウス貧血に対する改善効果』

2014年(平26)応用薬理 Pharmacometrics 86(3/4)49-56(2014)
The Liquid Culture Filtrate of a New Entomogenous,Paecilomyces spcies
from Sang Beetle,Up-regulates Ileal Immune Responses in Mice Ex Vivo

日本冬虫夏草二次代謝産物から単離された成分と効果

◆エルゴステロール・パーオキサイド
1983年東北大学薬学部助教授近藤喜和先生がサナギタケより単離、後にハナサナギタケより単離。
動物実験で、がん細胞アポトーシス誘導効果とのがん抑制効果の報告例があります。

◆エルゴステロール誘導体
1997年に東北大学大学院生、小坂良氏によってハナサナギタケより単離したのは構造式の異なる7位と9位にパーオキサイドが架橋したエルゴステロール誘導体を新発見。
ヒト由来の肺がん、子宮頸がん、舌がん細胞に対するアポトーシス誘導作用の報告例があります。

◆βカルボリン
1997年ハナサナギタケより単離
抗うつ剤、パーキンソン病の治療薬として用いられています。
また中枢神経を興奮させる効果もあります。

◆シクロL・トロイシルL・プロリン
1997年ハナサナギタケより単離
モルヒネ依存症を軽減するという報告があります

◆コルジセピン cordycepin:3´-Deoxyadenosine 核酸系抗生物質

がん細胞に取り込まれ、細胞の遺伝子RNAのDNAへの転写を阻害。がん細胞の代謝を阻害して、がん細胞の増殖を止めます
(図※:この位置がHであるために、以降の転写が行なわれません。すなわちがん細胞は増殖できなくなるのです)

金沢大学薬学部教授 太田富久先生がハナサナギタケより単離

◆メラトニン
冬虫夏草のコルジセプス属の培養液に多く含まれ、種によって含有量が異なります。

メラトニンは、ビタミンEの2倍の効果を持ち、血液脳関門も容易に通り抜けることができ体全体に行きわたります。
強力な抗酸化物質としての役割や、核DNAおよびミトコンドリアDNAを保護する役割も持ちます。
また、脳細胞の酸化を防ぐことにより、痴呆やアルツハイマー病やパーキンソン病を予防できるのではないかと期待されています。

メラトニンの抗酸化作用は、活性酸素だけでなく、一酸化窒素や過酸化脂質など様々なフリーラジカルを消去できることが特徴です。
毒性の強いヒドロキシラジカルはメラトニンによって効率的に消去され、不飽和脂肪酸の酸化によって生じるペルオキシラジカルを消去する活性はビタミンEよりも高いことが知られています。

また、グルタチオンペルオキシダーゼ、スーパーオキシドデスムターゼ、カタラーゼなどの細胞内の抗酸化酵素の活性を高める効果も報告されています。

メラトニンは夜間、眠っている時に増え、がんを抑制する働きがあります。
夜間勤務者はメラトニンが5分の1しか分泌されない結果、乳がんは2倍、前立腺がんは3倍に増えるという疫学調査の報告例があります。

血中メラトニン量が少ないとがんは増殖し、メラトニン量が増えるとがんは増殖しないという報告があります。

◆ミリオシン

ミリオシンは、台湾ツクツクボウシ(蝉)の幼虫に寄生する冬虫夏草の一種であるIsaria sinclairii 菌の培養液から単離された免疫抑制作用を有する化合物です。
1994年、京都大学薬学部教授 藤多哲郎らによって開発され、「FTY720」として臓器移植の拒絶反応抑制や自己免疫疾患などの治療薬になると期待されている。

日本冬虫夏草の一種ツクツクホウシタケ培養液より単離しました。
薬理効果は、免疫抑制剤、STP(セリンパルミトイルトランスフェラーゼ)阻害効果があります。

主な疾患の治療及び予防効果
C型肝炎ウイルス、多発性硬化症、脳梗塞、炎症性疾患、炎症性サイトカインの抑制、2型糖尿病、1型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満症の影響、メタボリック症候群(X症候群と呼ばれることがある)、耐糖能異常、クッシング病、心臓血管疾患、血栓形成促進状態、心筋梗塞、高血圧症、うっ血性心不全、心筋症、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、敗血症、肝損傷、網膜変性障害、悪液質、肺気腫、HIV感染