36年間の基礎研究と23年の臨床実績

漢方医学療法 研究の歴史

「漢方医学療法」研究の歴史
漢方医学療法は、1993年に臨床医廣瀬薫(医学博士)、吉原昭雄(米国医学博士)、矢萩信夫(薬学博士)らの発案で臨床研究が始まりました。

1995年日本東洋医学会学術総会(於:金沢市)にて、がん闘病者300名に対し臨床調査行い 『日本冬虫夏草の人工栽培および動物実験による薬理解明と癌闘病者に対する臨床調査』を発表しました。
臨床調査の結果、日本冬虫夏草培養液(二次代謝産物)は、がん闘病者の全身状態(PS)改善に有効である事を明らかにしました。

また同年9月15日アメリカのNIH(国立衛生研究所)内のAOM(代替療法調査部)に公式訪問し同内容を発表し高い評価を受けました。

2001年東北大学薬学部伏谷眞二助教授、吉原昭雄らの研究により、「落花生処理物を用いた造血機能回復剤及び加工食品」の特許を取得しました。
この発明は、抗癌剤の副作用やDICの改善、転移予防におおいに貢献することになります。

2003年東北大学薬学部伏谷眞二助教授、矢萩信夫らは、消化管免疫応答による、細胞性免疫(Th1)を優位に導き腫瘍を抑制する事を発表しました。

2005年金沢大学大学院薬学部教授太田富久らは、『ハナサナギタケとツクツクボウシタケのバイエル板構成細胞に対する選択的なサイトカイン産生の増強効果』の論文を発表しました。

この論文で、細胞性免疫Th1サイトカインを増強し、がん細胞を攻撃する数種の免疫細胞をも増強、活性化して抗腫瘍効果を高めます。

2012年『イザリア型虫草由来のサイトカイン増強剤』の特許を取得しました。

2007年には、東北薬科大学准教授佐々木健郎、矢萩信夫らが 『冬虫夏草属菌の一種、ミジンイモムシタケのラット肺マトリックスメタロプロテアーゼ阻害作用』を発表。
この発表内容は、ミジンイモムシタケの産生するコラーゲン様物質が癌の転移やがん細胞が栄養をとる為に作る血管を阻害する事が明らかに成りました。

2013年『科学研究費助成事業研究成果報告書』で、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科教授太田富久、准教授高野文秀、矢萩信夫らは、日本冬虫夏草(ハナサナギタケ)が産生する二次代謝産物の消化管免疫調節物質(細胞性免疫Th1サイトカイン増強物質)を明らかにしました。

詳細な解析の結果、ペプチドは8種類のアミノ酸、糖はβ(1-3)グルカンから構成される事がわかり、冬虫夏草由来アジュバンド(免疫増強物質)の詳細な構造解析の結果、免疫賦活化高分子は多糖とペプチド及び遊離アミノ酸の混合物で、消化管免疫賦活はこれらのペプチドが存在しないと誘導されない事を明らかにしました。

この事から、キノコ類や海藻類に含まれる抗腫瘍免疫増強物質はβ(1-3)グルカンに効果があると言われていますが、8種類のアミノ酸が存在しないとがん細胞に作用する免疫は活性しない事がわかりました。

2014年『現在の細菌学と応用化学』(国際的なジャーナル誌)に長崎国際大学薬学部教授小林秀光らが論文掲載『日本冬虫夏草(Cordyceps属)の二次代謝産物は、数種のヒト由来癌細胞に対し抗増殖抑制活性を示した』(日本語訳)

この内容は、4種類の日本冬虫夏草二次代謝産物は、白血病細胞、乳癌細胞、大腸癌細胞、膵臓癌細胞、胃癌細胞など5種類のヒト腫瘍細胞に対し腫瘍細胞だけに抗腫瘍活性があり、活性成分はテルペノイドやフラボノイドなどの疎水性低分子化合物が活性本体である可能性が示唆されました。 この事から、日本冬虫夏草に含まれる未知の化合物が、副作用の殆どない抗癌剤開発に役立つリード化合物と成り得ることを示唆しています。