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悪性リンパ腫・悪性リンパ腫治療の知識と情報

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悪性リンパ腫・悪性リンパ腫における漢方医学療法

漢方医学療法研究会は漢方医学療法が、がん闘病者の治療の福音になればと研究を重ねてきました。
漢方医学療法の作用の一部を闘病者の声として頂いており、声の中から重要度の高い項目に関しての資料をご用意しました。
当研究会の研究成果や実績については「漢方医学療法のがん治療研究における成果」をご覧ください。

■医療相談
悪性リンパ腫は大きく分けて、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫(B細胞性リンパ腫、T/NK細胞性リンパ腫)の2つあります。
非ホジキンは、進行スピードによる分類があり、底悪性度(年単位で進行)中悪性度(月単位で進行)高悪性度(週単位で進行)に分かれます。

最近では高悪性度のリンパ腫でも強力な化学療法や造血幹細胞移植で根治が期待出来ます。
しかし、再発を繰り返たり、リンパ節以外の臓器への浸潤、化学療法や放射線療法の治療限界に達した方や様々な症状や治療の副作用に不安を感じ、副作用の軽減や症状の改善、QOL(生活の質)の向上、治癒を目指す治療法をご検討されている方。
お問い合わせをお考えの方はまず「漢方医学療法を始めるにあたって」をご覧ください。

西洋医学との併用、あるいは西洋医学以外のアプローチ方法もございますので、悪性リンパ腫治療無料相談よりお問い合わせ下さい。

■悪性リンパ腫とは
リンパ系組織から発生する悪性腫瘍です。
リンパ系組織は全身を巡っているため、肉腫及び癌腫の癌とは異なり、外科手術による切除は行わず(但し、腫大による圧迫などを緩和するため姑息手術を行う事はあります)、治療法は主に放射線療法および化学療法を行います。
リンパ腫には「良性」はない為、「悪性リンパ腫」と言われています。

悪性リンパ腫は、単一ではなく、多様な病型のリンパ系組織のがんの総称です。(疾患分類は、今なお分類が進行中です)
病型を大別すると、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫 に分けられます。
病型によって治療方針や予後が大きく異なりますので、リンパ腫では自己の病型を知ることが大変重要です。

悪性リンパ腫は、全身に発生するというその性質上、治療を行ってもがん細胞が完全に消滅を証明することはできない為、「完治」と言わず、腫瘍を検出できなくなった時点で「寛解」しましたと言います。

悪性リンパ腫の発がんの原因は、わかっていませんが、ウイルス説・カビ説・遺伝説などがあります。

■悪性リンパ腫診断のために必要な検査
悪性リンパ腫の診断には、HE染色による形態観察、免疫組織化学、フローサイトメトリによる細胞表面抗原の解析、染色体検査、免疫グロブリン重鎖遺伝子・T細胞受容体遺伝子再構成の検出等の遺伝子検査などが必要です。中でも病理診断が不可欠な検査です。

生検では、最大径が1.5cm以上で、採取可能な最大のリンパ節を選択することが重要です。FDG-PETが行われていれば、FDGの集積を認めるリンパ節を選ぶことも重要です。
生検ではリンパ節の部分切除はせず、圧迫による組織の挫滅に気を付けながら一つのリンパ節を丸ごと採取する必要があります。

巨大なリンパ節の場合や、癒着により丸ごとの採取が困難な場合には、可能な範囲でなるべく大きく切除することが望まれます。
これは、リンパ節周辺部には腫瘍が存在しないことがあるためです。

■悪性リンパ腫の治療をはじめるにあたり
悪性リンパ腫の治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 最終的な治療方法を患者さんが主体となって決定する時代になりつつあります。

悪性リンパ腫の治療をはじめるにあたり「がん(癌)治療の知識と情報」を詳しくまとめましたので是非参考にしてください。

また医療の進歩とともに治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンド・オピニオンを求めることが必要な時代になってきました。

詳しくは「インフォームド・コンセント」と「セカンド・オピニオン」をご覧下さい。

■悪性リンパ腫の治療
ホジキンリンパ腫は、比較的化学療法や放射線照射に対する感受性が高く、また、連続して進展、リンパ節外病変が稀という特徴があります。
組織型と共に臨床病期が重要で、臨床病期がⅠ期、Ⅱ期の早期群では、放射線療法の単独治療となります。

その他の群では化学療法単独、化学療法と放射線照射の併用が行われます。
ホジキンリンパ腫の予後は良好で、早期で予後因子良好群では80%、進行期で予後因子不良群でも40%以上が長期生存しています。

化学療法はABVD(アドリアシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)やMOPP療法のナイトロジェンマスタードをシクロフォスファミドに変更したC-MOPP療法(シクロフォスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾロン等を投与します。

非ホジキンリンパ腫(B細胞性リンパ腫、T/NK細胞性リンパ腫の場合、低悪性度群、中高度悪性群で治療方針が異なります。
低悪性度群は増殖がゆっくりしている反面、薬剤感受性はあまり良くありません。
後に述べる中高度悪性群のように、化学療法のみで治癒は殆ど望めません。

臨床病期ⅠとⅡでは通常放射線照射を行うことが多いようです。
しかし、比較的早期に腫瘍細胞が全身に散布されることが多く、Ⅱ期では放射線と化学療法の併用が必要なことも有ります。
Ⅲ、Ⅳ期の低悪性度群では現在一定の治療方針はなく、個々の施設や主治医により異なります。

中高度悪性群は、増殖速度の速い反面、薬剤感受性は良好です。
臨床病期Ⅰ期のものについては病変部の局所療法(放射線照射や手術療法)、Ⅱ期のものに対しては局所療法に化学療法を組み合わせることが多いようです。
Ⅲ期以上のものに対しては化学療法が主体となります。

化学療法はCHOP療法(シクロフォスファミド、アドリアシン、ビンクリスチン、プレドニン)が標準的な療法であり、病期に関係なく本治療法が使用されることが多いようです。
しかし、巨大腫瘤を伴うときは放射線療法と併用され、再発時など化学療法の感受性が悪い場合にはより強力な化学療法が選択されます。

■その他の治療法
・造血幹細胞移植
自家末梢血幹細胞移植
(または自家骨髄移植)、自分の造血幹細胞を末梢血中に動員、採取し凍結保存したものを超大量化学療法の後、輸注し造血を再構築します。
自分の細胞を用いるので移植に関連した危険性が少ないのですが、反面、同種移植のように免疫効果は期待できません。
抗癌剤に対する感受性の高い症例に対しては、有効ですが、抗癌剤感受性の低い、低悪性度群についてはその適応は明らかでは有りません。

同種末梢血幹細胞移植(または同種骨髄移植)、HLAの一致した同胞および非血縁者から造血幹細胞を採取、超大量化学療法後、輸注し造血を再構築するものです。
輸注した細胞が生着後、免疫を介してリンパ腫の腫瘍細胞を攻撃するので(移植片対リンパ腫効果)再発率は自家移植に比べ低いのですが、移植自体の危険性が高く、リンパ腫ではどのような症例に適応があるのか、いまだ定説は有りません。

ミニ移植、 超大量化学療法を行うことなく、免疫反応に重点をおいた移植法です。化学療法の副作用が少ないため、高齢者や合併症を有する患者さんにも施行が出来るのですが、移植片対宿主病の可能性は通常の同種移植と同様です。
最近、始められた手技でもあり、まだ明確な適応はありません。

・モノクローナル抗体療法
Bリンパ球の表面にあるCD20という形質に対し、抗CD20抗体を用いて免疫反応で細胞を障害、抗腫瘍効果を期待した治療法です。
このような抗体に放射性同位元素を付け、抗腫瘍効果を強化したもの(ミサイル療法)試みや、化学療法と併用する方法が試みられています。

がん治療の知識と情報の「がん治療法を選択するに際してのアドバイス」を是非参照ください

■病期(ステージ)分類
リンパ腫の病期(ステージ)分類としては、次のAnn Arbor分類が世界的に用いられています。
通常の癌と異なり、0期という分類はありません。

I期
1つのリンパ節領域または1つのリンパ組織(脾臓、胸腺、扁桃腺)の病変(I期)、あるいは1つの非リンパ性臓器の限局性病変(IE期)
II期
横隔膜を境にした同側、2つ以上のリンパ節領域にわたる病変(II期)、あるいは1つの非リンパ性臓器への限局性病変を伴う1つ以上のリンパ節領域の病変(IIE期)
III期
横隔膜の両側にわたるリンパ節領域(III期)、リンパ節以外の臓器又は部位の限局的侵襲を伴うもの(IIIE期)、脾臓の侵襲を伴うもの(IIIS期)、その両者を合併しているもの(IIIES期)
IV期
1つ以上のリンパ節以外の臓器又は組織へのびまん性の浸潤で、リンパ節腫大を問わない

■悪性リンパ腫の予後予測
悪性リンパ腫の治療方針を決定する上で重要なものとして、病理分類(どのようなタイプか)と病期分類(どの程度病期が進行しているか)がありますが、同じ病理分類や病期分類であっても、治療がどの程度奏功するかは患者さんによって異なってきます。

病理分類や病期分類といった情報以外に、個々の患者さんが治療を行って治りやすいか、治りにくいか(リスクが低いか高いか)という情報が、治療法の選択にあたって重要な役割を果たすことになります。

リスクが低いと予想される患者さんには標準的な治療を行い、リスクが高いと予想される患者さんには強めの治療を行って、個々の患者さんに過不足ない治療をすることが、求められます。
そこで、個々の患者さんの有するリスクを推定するための予後指標が、いくつか示されています。

なお、これらの予後指標はあくまで過去の研究結果によるものであり、現在はこれらのリスク分類をもとに、新規抗がん剤や造血幹細胞移植など、治療成績を向上する様々な取り組みがなされています。

■強力な化学療法(抗がん剤)/放射線療法の副作用対策
強力な化学療法や放射線療法を行えば当然副作用も強く、白血球の減少による感染症、血小板の減少による出血などがおこりやすくなります。
白血球や赤血球、血小板などが低下することを骨髄毒性(骨髄抑制)といいます。

骨髄抑制により身の回りを清潔に保ちウイルスや細菌などの感染を予防する必要があります。
また免疫の低下により帯状疱疹もできやすく、しかも悪化しやすくなります。

治療中は規則正しい生活を送り、免疫力を維持すること、および骨髄抑制からできるだけ早く回復するよう心がけが必要となります。

■悪性リンパ腫の再発
悪性リンパ腫は、抗がん剤治療により寛解し、その後、 再発をした患者の多くは2年以内に再発する事が多い。
その割合は2年以内に8~9割の 患者が集中する傾向があるようです。
また、その後の治療にて寛解した場合でも再再発する場合が非常に高く、再再発は、寛解から再発までの期間の1/2位の期間に起こることが多い。

再発や再再発、抗がん剤治療の副作用を軽減し、全身状態の改善、QOL(生活の質)を維持・向上、治癒を目指した治療について関心がある方は悪性リンパ腫治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。

■癌(がん)の何が生命を脅かすのか
癌(がん)関連遺伝子(癌遺伝子と癌抑制遺伝子)という遺伝子群の遺伝子の変異(2個~10個)が遺伝子産物(変異タンパク質)を産生します。

遺伝子産物(変異タンパク質)は生体の生命維持に重大な支障を与え、多臓器不全や身体の衰弱を招きます。
遺伝子産物(変異タンパク質)こそ癌(がん)が生命を脅かす元なのです。

■がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)の生体に対する影響
がん化した細胞の種類や発生した部位により産生される物質も異なり、がんの病態や悪性度が規定されます。

また、同じ腫瘍内にあるがん細胞でも、クローン増殖(転写)するがん細胞の増殖スピードが早く、悪性度が高い、そして同じ腫瘍内に多くのクローンが混在していると考えられます。
抗癌剤等の薬剤治療により、クローンが死滅しても別のクローンが特別な物質(薬剤耐久性遺伝子産物(薬剤治療が効かなくなる))を産生し、薬剤や免疫(免疫回避機構)に依る治療等からすり抜ける術を獲得します。

がん細胞が産生する遺伝子産物(変異タンパク質)は細胞内に産生される物質と細胞外へ産生される物質があり、細胞内にはシグナル伝達関連タンパク質、細胞外には増殖因子、癌胎児性タンパク質(CEA、AFP)、酵素、ホルモン、サイトカイン等です。

この様な事に依り、がん細胞が無知秩序で抑制不能な細胞増殖や転移、がん細胞のアポトーシス抑制(がん細胞の不死化)やがん周囲の血管新生等の能力を獲得します。

生体に対しては、全身の代謝異常、消化器機能障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、炎症誘導、発熱、悪液質(食欲低下、体重減少)、高カルシウム血症等、腫瘍随伴症候群と呼ばれる癌(がん)が産生した物質が血流に入って体内を循環する事で起こる症候群、特に病期(ステージ)の進んだ末期癌に多く見られます。

■癌(がん)を克服するには次の様なことが行われなければなりません
「抗炎症」「変異物質の抑制」「免疫細胞の活性」「癌細胞の死滅」「血液の改善」「クローン阻止」「活性酸素の消去」「代謝異常の改善」等を総合的に行わなければ癌(がん)克服の道筋は見えないのです。

漢方医学療法は、これら問題に対し学術的に裏付けられる治療法なのです。
漢方医学療法に関心がある方は悪性リンパ腫治療の無料相談よりお問い合わせ下さい。